2013年09月08日

Ray of Hope

今年の夏も人前に出せるような痩せマッチョボディを手に入れることができなかった私は、苛立ちを隠すこともなく彼にぶつけた。
「糖質制限ダイエットくん、君もまた私を失望させたようだな。そもそも米がダメ、小麦がダメ、ビールがダメなダイエットなど、土台無理な話じゃないか」

「しかし、私どものやり方であれば、肉や魚などのタンパク質などは満腹になるまで・・」
いくら食べてもいいんだろ?いつものセリフはうんざりだ。私は彼の弁明を遮った。
「ではラーメン屋でなにを頼めばいいのか、私に教えてくれないか。餃子とお冷だけで帰ってこいとでも?」
糖質制限ダイエットは椅子から腰を浮かせてなにか言いかけたが、すぐに諦めたような表情を浮かべて俯き、黙り込んだ。沈黙が部屋を包んだ。

ガチャリ。
永遠に続くかとも思われた沈黙を破って、ドアの音が響いた。
「おや、まだいたのかい。おっとこれは失言だったかな」
そう言いながら部屋に入ってきた男の言葉に、糖質制限ダイエットが顔色を変えた。

ふふ、正直なヤツだ。私は口許の笑みを抑えきれないまま、努めて冷静な口調で男を紹介した。
「君に代わって今度新しく担当してもらうことになったバニラアイスダイエットくんだ」
唖然とした様子で目を見開いた糖質制限ダイエットの表情を楽しむかのように、彼は不敵に笑った。

この男こそが真の救世主−。私はうっとりと彼の横顔を見つめた。
posted by コピ at 16:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 分類不可能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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