2012年12月30日

中西学という男

滅多に更新しないのに、したらしたでプロレスの話題で恐縮です。

28日でうちの会社も仕事納め。最終日は会社の連中と朝まで飲んで、帰宅後に録りだめしていた「ワールドプロレスリング」を一気見。で、今回取り上げたいのは長期欠場していた中西学の復帰戦。

とはいえ、俺にとって中西は決して好きなレスラーじゃない。好きどころか、常にこちらの期待を裏切り続けてきた、どうにも歯がゆい存在だ。

アマレス重量級のオリンピック代表という逸材。米国遠征時代(当時のリングネームはクロサワ)の「ホーク・ウォリアーの腕を叩き折った」というエピソード。当時の週刊ゴングの選手名鑑での、人を二、三人殺してきたんじゃないかというくらいに鋭い目つき。そして、前田日明の「リングスに引き抜くなら中西」という発言。

そういう幻想をひとつひとつ丁寧に踏み潰してきた。中西を見ていると、彼のレスラー人生をそう表現したくなる。センスの欠片もない試合コメント、どんくさい試合運び、極めつけはK-1における対TOA戦でのミッキー・ローク顔負けの猫なでパンチ。

もう何年前になるだろうか、新横浜駅のホームで偶然見かけた中西は、シャツの胸元を思い切りはだけさせたジャケット姿にサングラス。必要以上に威圧感のある顔つきで、携帯片手に大声で喋りながらホームを闊歩していた。完全にその筋にしか見えない中西の後姿を「長州の言う『レスラーは恐い存在であるべき』という言葉の解釈をこいつは完全に間違えてるんじゃないか」と冷ややかに見送ったことを覚えている。

藤波のタッグパートナーとしての破格のデビューからこの20年、中西について本当に感心したのはスピアー(低重心での高速タックル)の切れ味くらいだったが、そもそもこれで相手をテイクダウンしたところでその後の寝技ができないんだから、これすら単発のカウンター技程度にしか扱えず、結局、いつの間にかすっかり見る機会もなくなった。

中西については文句を言いたいことばかり。和製ヘラクレスと呼ばれた肉体もおつむが足りないから結局は宝の持ち腐れ。俺にとっては中西というレスラーの評価はそんなもんだった。

それが今回の長期欠場で変わった。

昨年の年末の後楽園で復帰予告の挨拶。身体をまっすぐにすることすらままならないまま花道をよたよたと歩く姿に「こりゃ復帰は無理だろ」と思った。というか、正直、「日常生活すらちょっと難しいだろ」と思った。それからわずかに1年足らず。以前と変わらぬ筋肉隆々の肉体で、中西は復帰戦を行った。

もう中西を許してやろうという気になった。こんな復帰を見せられちゃ、もうこれ以上文句は言えないよ、と思った。そりゃ確かに復帰戦以降はどうも足元がおぼつかない感じで、なんというか、晩年の馬場さんを温かく見守るような、そんな目になってしまう瞬間もある。正直なところ、それはある。今後どこまで体調が戻るかわからないが、現時点では申し訳ないけど100%一線級のレスラーとしては見れない。それはまあそうなんだけど、でも、もう中西のレスラー人生は最後まで見届けようと思った。

プロレスラーの選手生命は、気が遠くなるほど長い。それを見れるという贅沢。見たくなる選手がいるという幸せ。中西は、俺にとってそんな気持ちを抱けるレスラーになった。まあ、来週あたりにはもうさっそく中西について延々と文句言ってるかもしれないんだけど。
posted by コピ at 16:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 読んだ、観た、聴いた | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
明けましておめでとうございます。
今年は去年より良い年になりそうですね!

さて、プロレスのことであんなに長く語れるなんてスゴいですね〜 私は殴り合い見るのがちょっと恐いと言うか、見てると自分が痛くなるので、正直ちょっと苦手です。闘犬闘牛闘人?全部駄目です、ごめんなさい。

通勤電車がストレスフルな乗り物だと、長いお休み明けの今しみじみ感じています。テンション上げていかなくちゃ、社会復帰ができません!

イケメンさん、お互い今年も頑張りましょう!



Posted by たま at 2013年01月08日 18:44
>たまさん

すっかり返信が遅れてしまってすいません。なんだかんだ理由をつけてブログの更新を後回し・・。悪い癖ですね。

正月ボケはさすがに収まりましたが、今度は春眠暁を覚えずってことでつい朝寝が・・。なかなか本調子の時期が来ませんが(笑)、お互い頑張りましょう!
Posted by コピ at 2013年04月21日 16:43
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